解体新書展|東洋文庫ミュージアム

こんにちは、金沢です。
「医は仁術」に引き続き、また医学の歴史に触れます。

東京都文京区にある東洋文庫ミュージアムで解体新書展が開催中

角ばったモダンなデザインの建物。

入口からすぐにオリエントホールです。ここには世界の古書が陳列されています。

 

東洋文庫ミュージアムのオリエントホール
東洋文庫ミュージアムのオリエントホール

「目には目を」で知られるハンムラビ法典(1902年、シェール訳、パリ刊)。

ハンムラビ法典
ハンムラビ法典

フランス語でこう記されています。(金沢が意訳)。

215:もし、医師が銅の針のようなもの?を使ってヒトの大怪我を治療して治癒させる。もしくは銅の針を用いて角膜を開き、ヒトの目を治癒させたら、10sicle(お金の単位)受け取れる。
216: もし、mouchkinou(ヒトより下、奴隷より上の身分と思われる)であれば、対価として5sicle受け取る。
217: もし、相手が奴隷であれば、その主人が対価として2sicle渡す。
218: もし、医師が銅の針のようなもの?を使ってヒトの大怪我を治療して結果死んだ場合、もしくは銅の針を用いて角膜を開き、ヒトの目を失明させたら、医師の手を切り落とす。
219: もし、医師が銅の針のようなもの?を使って奴隷やmouchkinouの大怪我を治療して結果死んだ場合、医師は応分の奴隷を代わりに差し出す。
210: もし、銅の針を用いて角膜を開き、mouchkinouや奴隷の目を失明させたら、価格の半額相当のお金を支払う。

治療がうまくいかなかった時の医師への処罰が怖いです。「銅の針のようなもの(poinçon de bronze)」というのは縫合のための道具かも知れません。外科治療という意味かもしれません。
poinçon de bronze(写真)
poinçon de bronze(結紮と縫合の本より)
3000年以上も昔に職業として医療があったことに感銘を受けます。

次は階段を上がってモリソン書庫。超絶的美空間!

モリソン書庫
モリソン書庫
高い天井まで聳えるモリソン書庫
高い天井まで聳えるモリソン書庫

仄暗い部屋に浮かび上がる、色とりどりのビンテージ本が並ぶ書架。
ここを抜けると、特別展があります。

解体新書展|1500年に及ぶ日本の医学の歩み

安政コロリ流行記
安政コロリ流行記

江戸時代に3度コレラが大流行。2度目の「安政コロリ」1858年には多数の死者を出した。この絵画は火葬場。
火葬が追いつかず、棺桶が積み上げられています。コレラは恐怖だった事でしょう。

刑死者解剖図 1800年
大阪で刑死した女性の解剖です。絵巻物。デジタルで展示。ドラッグしてページをめくります。顔の皮を剥いでます。
閲覧注意です。臓器の機能を確認するために様々な実験を行いました。
中国伝統医学の「五臓六腑」に疑問を抱き、サイエンスとして医学を追究し始めた時代のようです。
東洋文庫ミュージアムは展示の仕方に工夫があって思わず引き込まれます。

P.S. ミュージアムカフェで一服しましょう。

左手に中庭を見てカフェへ
左手に中庭を見てカフェへ
ハンムラビ法典
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