第126回ボストンマラソンレポート エントリーから実走まで

  • Athletes’ Village
  • Hopkinton
  • BQ
  • cushion
  • Monday’s race

これらのキーワードがわかったらボストンマラソンに詳しいヒトです。

普通は知らないので初めてボストンマラソンに参加する際は混乱、苦労します。

例えばこんなふうに使われます。

I qualified for Boston marathon with a 21 minutes cushion, but finished over 16 minutes slower on Monday’s race.

私自身海外フルマラソン初参加。つまり海外レース初心者としてボストンマラソンに参加しました。正直混乱だらけ。参加までの道のりはまるで謎解きゲームでした。

この記事ははじめて海外レースに出る人に捧げます。これで気苦労を少しでも減らしてください。

126th Boston marathon (2022)

ホームページのリンク

エントリーからハードルが高いです。知らない単語がたくさん。“bibs”って何?事前のEXPO会場でどうやって本人確認するのか?どうやってゼッケンを受け取るのか?スタート地点までどうやって移動するのか?荷物はどのように預けてどこで受け取るのか?分からないことだらけ。ウェブサイトを見ても該当ページにたどり着きにくいし、実際にページにたどり着いても確信が得られないのです。

そして表現の多様性💦例えばスタート地点のことを“Athletes’ Village”と呼ぶかと思えば、“Hopkinton!”と呼んだりしてます。初めて目にする自分からすると何の話題か直感的にわからず頭がフリーズします。ボストンマラソン特有のキーワードが多いので部外者にはつらいです。

エントリーまで

2021年の11月11日にウェブサイトからエントリー。タイム基準をクリアしていることが応募の条件。この基準をBQ(Boston Qualifying time)といいます。年齢と性によって分類されています。参考記事:『BQ RUNNING – UPDATED 2021 – A COMPLETE GUIDE TO RUN YOUR BQ』

AIMS認定大会のタイムを申告することになっています。ただしこれ以外の大会も考慮される様子。2019年の水戸黄門漫遊マラソンの大会データを申告しました。タイム基準をクリアしていても応募人数が募集人数を超過していれば遅い人から足を切られます。今回は足切りなしの全アクセプトでした(ラッキー🤗)。12月15日に出走OKメールが届きました。やった!第一関門突破。

その後もメールがコンスタントに届きます。プロモーション系のメールが多いのでスルーするのですが、なかに見落としてはいけないものもありました。

ワクチン接種証明です。”Action Needed: Vaccine Verification for B.A.A. Events”というタイトルで3月3日に受信しました。ウェブ上で申告します。

あとは人によりますが、

  • 前日5キロレースのエントリー
  • レース後パーティのエントリー

ですね。私はスルーしていました。事前登録が必要です。

Twitterでフォローさせていただいているランナーさんのコメント(下記)で気づく始末💦

ホテル予約と航空券手配

出走確定したら速攻で手配。ダイナミックプライシング。高いです。地下鉄やバスを乗りこなす自信があれば中心部から離れたところもありでしょう。しかし自信がない外国人であるわたしはなるべく徒歩圏内希望。Expediaで手配しました。airbnbも調べましたがオーナーさんと連絡が取れなかったり、拒否られたり(もっと多くの日数で申し込んで!みたいに)しました。不確定要素が増えそうなので早々に諦めました。事実直前にオーナーさんからキャンセルを食らってパニックになっているランナーもいた様子。民泊はリスクありそうdeath。

航空券はJALで。新型コロナの影響でフライトキャンセル(2022年2月に通達)があり、日程の調整を余儀なくされたのが残念でした。

コロナの状況が読めませんでしたのでキャンセル可能なチケット、宿を手配しました。

コロナの検疫問題

アメリカ入国には、「ワクチン接種証明」と「日本を発つ前日の検査陰性証明書」が必要でした。日本入国には「ワクチン接種証明」と「アメリカを発つ72時間前検査陰性証明書」が必要でした(2022年4月)。(3月ころまでは日本帰国後ホテル隔離が必要とされていましたが、ワクチン接種3回したヒトは自宅へ直行できるように改変されました。)

私は日本でワクチン3回接種、Tケアクリニック(新橋)で抗原検査、アメリカでは空港まで足を運びPCR検査を行いました。日本での直前検査が緊張しました。なにしろ前日です。これで陽性ならすべてをキャンセルしなければいけません😭緊張感が半端ないです。

この辺も「この手続きで間違いがないのか?この書類でパスするのか?」不安に思いながらひとつひとつクリアしていきました。

大会前の受付=EXPO(企業出展、各種イベント)

ゼッケン荷物預かりのバッグ、そして記念シャツを受け取ります。受付のことを THE EXPOと呼んでまとめています。この点もウェブサイトではわかりにくい部分でした。受付というキーワードで探しても見つからない上、EXPOのページもエントリー関連ページの後半に現れる(荷物預かりやスタート地点、ゴール地点の案内のあと)からです。

“The 2022 Boston Marathon Expo will take place Friday, April 15–Sunday, April 17 at the John B. Hynes Veterans Memorial Convention Center at 900 Boylston St. in Boston.”

金土日に受付。受付会場への詳しい地図は見つけられず、なんとなくその「めもりあるコンベンションせんたー」なるものめがけて歩きました。徐々にそれらしき人々が増えてくるので分かります。

4/6に受付用のパスをメールで受信しました。自分のID(パスポート)と合わせてカウンターに提示します。そしてグッズをゲット。

受付用のパス
メールで届く”Digital Number Pick-Up Pass”

私は企業展示はほぼスルーして帰りました。

主たるスポンサー

筆頭に挙がるジョン・ハンコック。保険会社かな?。すみません調査不足で。独立宣言のときに活躍した政治家がルーツです。

主たるスポンサー
主たるスポンサー

John Hancockって?

アメリカ独立宣言の署名。John Hancockの署名がひときわ大きく目立つのが分かりますね。

John Hancockのサイン
signature of John Hancock

戦争に敗北したら首を捧げなければならないというプレッシャーのもと、皆が物怖じする中で我先にとデカデカと署名したというエピソード。独立宣言の署名といえばジョン・ハンコック。というか、「署名の代名詞がジョン・ハンコック」になっているくらいだそう。”Put your John Hancock here.”で「ここに署名してね」 という意味で使われているそうです。

ボストンマラソンの記念シャツ
記念シャツ

ある意味ボストンの人々にとって、あるいはアメリカ人にとっての象徴とも言える人物なのかも。

マラソン当日

ちょっと脱線しましたが当日の動きです。4月の第3月曜日はマサチューセッツ州の愛国者の日“Patriot’s Day”で休日。でその日にボストンマラソンが開催されます。だから“Monday’s race”なんて言ったりするんです。

荷物預かり GEAR CHECK

ボストンマラソンのスタート地点はダウンタウンから遥か離れた地。そこまで黄色のスクールバスで移動します。なのでバスのりばへ行くことから一日が始まります。ゴール地点を通称“Finish Area”と呼びます。そこで荷物を預けます(gear check)。これもまたスクールバスを利用。ゼッケン(bib)番号ごとにバスが振り分けられています。番号と色とを参照して自分のバスを見つけましょう。このバスはそのままここに佇んでいます。マラソンを終えたらここで荷物をピックアップするわけ。ちなみにFinish Areaを”Copley“とか”Boylston”とか呼んだりもしてます。混乱しないように。

フィニッシュエリア
フィニッシュエリア
gear checkのバス
荷物を預けるバス

荷物を預けたらそのままバスのりばへ。なお、EXPOのランナー受付で小さなビニル袋を受け取っています。この中に収まるグッズは持ち込み可能。軽食や飲料など。この時点で半数以上のランナーは防寒の上着を着用しています。この上着はスタート直前に処分することになります。

バスのりばへ
バスのりばへ

上の“A.M.BUS LOADING”(前のページでは”morning bus loading”、こういう記載のブレが読んでて疲れます)と記載されているのがバスが並んでいるところであり、乗り込むところ。ゼッケン番号ごとに乗り込む時間が指定されています。この表の時刻は「乗り込み開始時刻」です。早く到着しても寒い中で凍えるだけ。

バスで一時間かかります。その距離およそ40キロ。そう、コースがほぼ直線なので、スタート地点とゴール地点が40キロ離れているのですね。バスの中はテンション高め。運転手がブレーキを踏むたびに「ひゅ〜」と叫び声で盛り上がります。

スタートエリア

Athletes’ VillageもといHopkintonです。ここで1時間以上暇をつぶします。さぶい、たいくつ、しんどい。

スタートはウェーブ制。第4ウェーブまであり、更に各々ウェーブ内に“Corral”というグループに分けられています。該当するCorral(囲い)に指定された時間に移動します。この移動は徒歩でおよそ1キロほど、冷えた身体が温まります。脱ぎ捨てる上着はcorralまで持っていっても大丈夫でしょう。

スタートエリア
スタートエリア(2022年版)

もうここまでくればあとは走るだけ。沿道の方々の叫びを全身に浴びながらスタート。

ボストンマラソンのコース
ボストンマラソン2022のコース

アップダウンで脚を消耗します。自己記録を狙うコースではないと思います。沿道の声援シャワーを満喫しましょう。

私自身は撃沈。レース攻略法は他の人に譲ります💦よくわからないけど上級者向けだと思います。

以下の動画で予習したつもりでしたがまったく役に立ちませんでした。まだまだ経験が足りませんね。

フィニッシュしたらメダルを頂いてボードをバックに写真を撮影、その足で預けた荷物を回収です。スタートしてからはもう迷うことはありませんでした。謎解きゲームはスタート地点まででとりあえず終わりでした。

ボストンマラソンのメダル
ボストンマラソンのメダル

ユニコーンのぬいぐるみはショップで購入。

まとめ

以上ボストンマラソン特有キーワードに振り回された旅でした。冒頭の”I qualified for Boston marathon with a 21 minutes cushion, but finished over 16 minutes slower on Monday’s race.”は「21分の貯金をつくってボストンマラソン基準タイムをクリアし、しかし当日のレースでは16分基準タイムをオーバーして終了した(結果基準タイムを獲得出来なかった)。」という意味です。

参考

ウェブサイト

『ボストンマラソンに、福岡マラソンの記録で参加承認』サブ4ever running

『徹底解説|ボストンマラソン2022エントリー:基準タイムと申込方法のまとめ』ともらん

おかげさまでエントリーできました。先駆者には助けられます。ありがとうございました。

twitterアカウント

はぐれカモメさん(@sh74)

出走確定から出走までリアルタイムに(私がスルーしていた)最新情報をどしどしアップしてくれました。

おわりに

「ここ間違ってるよ!」「ここが変わったよ!」などの情報がありましたらコメントよろしくおねがいします。リアルな体験談や現場情報は本当に助かります。

ボストンマラソンの記念シャツ
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