「血を抜かれたら具合が悪くなりそう…」
これ、当たり前の感覚です。
出血は「貧血」をもたらします。
血液は生命を維持するための重要な臓器。
酸素や栄養、老廃物を運びます。
その血液が減ったら体調を崩すのは当然。
一方、病気などでその血液を必要としているヒトがいるのは御存知の通り。
「血液量が不足しています。献血にご協力をお願いします。献血は不要不急ではありません。」
コロナによる自粛ムードにより、献血するヒトが減っています。
献血の影響を知ると少しは怖くなくなるかな?
そう思い、「実際にどの程度貧血になるのか」自分の身体で検証しました。
この結果を見て献血に興味をいだいてくれると嬉しいです☺️
輸血をすると貧血になるのか?
N=1のささやかな実験です。体重59キロの40代男。ラン習慣あり。
簡易計算で血液量は4400mlあります。輸血の量は400ml。10%弱。
8月某日 400ミリリットル全血輸血
血を抜き取られる直前のデータです。上から3つ目の血色素量(ヘモグロビン)だけ見てください。14.5g/dlです。普通です。
項目 | 基準値 | 私の値(献血前) |
白血球数 /μl | 3800-8900 | 5500 |
赤血球数 10000/μl | 418-560 | 451 |
血色素量 (ヘモグロビン量) g/dl | 12.7-17.0 | 14.5 |
ヘマトクリット値 % | 38.8-50.0 | 43.4 |
血小板数 10000/μl | 17.0-36.5 | 17.8 |
MCV fL (平均赤血球容積) | 83.0-99.5 | 96.2 |
MCH pg (平均赤血球ヘモグロビン量) | 26.8-33.5 | 32.2 |
MCHC % (平均赤血球ヘモグロビン濃度) | 31.7-35.2 | 33.4 |
総蛋白 g/dl | 6.6-8.2 | 7.7 |
自分の血液が入った赤く膨らんだバッグは見ないように目をそらします💦
献血後はなんとなく気だるい気分です。「医師たちよ、貴重な私の命を分けたのだから適正使用を心がけてくれよ」と偉そうなことを妄想します。
ランニングも控えたい気分。
献血2日後
献血をしたら次回の献血まで3ヶ月開ける必要があります。つまり血液量の回復に時間がかかるということです。
つまり回復するまでは身体の機能にハンデがある状態とも言えるわけ。
ではどの程度貧血になっているのでしょうか?ここが一番知りたいところ。
項目 | 基準値 | 私の値(献血2日後) |
白血球数 /μl | 3900-9800 | 6300 |
赤血球数 10000/μl | 427-570 | 460 |
血色素量(ヘモグロビン量) g/dl | 13.5-17.6 | 14.4 |
ヘマトクリット値 % | 39.8-51.8 | 43.3 |
血小板数 10000/μl | 13.1-36.2 | 19.1 |
MCV fL (平均赤血球容積) | 82.7 | 94.1 |
MCH pg (平均赤血球ヘモグロビン量) | 28.0-34.6 | 31.3 |
MCHC % (平均赤血球ヘモグロビン濃度) | 31.6-36.6 | 33.3 |
総蛋白 g/dl | 6.7-8.3 | 7.5 |
血色素量(ヘモグロビン量)だけ見てください。14.4g/dlです。
検査機器が輸血センターと異なるので誤差はそこそこあるはずですが、それでもコレ。
ズコーッ💦
思わず拍子抜けしました。総蛋白を見てもほとんど変化なし。
つまり貧血になっていません👀
そんなわけで、なんとなく「気だるい気分」も気のせいだったわけです。
考察
400mlの全血というのは、相当に安全サイドに設計されたものかもしれません。
医療の現場でも手術で400mlの出血があった場合、輸血が考慮されることはまずありえませんものね。
ところで、
私の数値に全く変化がなかった要因を無理やりこじつけで考察しました。
時期は夏でした。夏場のランニングでは皮膚の末梢血管が開きやすく(体温コントロールのため)、その分血液量が増えていた可能性はあります。
献血後2日間はランニングを控え、エアコンの効いた環境でしたから末梢血管は締まっており、ボリューム不足を身体が感知せず、「血液量を増やして戻す必要がない」と身体が判断したのかもしれません。
但し書き
以上は個人の体験です。献血そのものには各種のリスクがあります。きちんと説明を受けましょう。
献血に興味がある方
地域によって手続きが異なるかも知れません。
お住まいのエリアの献血センター、献血ルームを探してみましょう。
こういうキャンペーンとかチェックしてもいいかも。