セルバン教授のはみ出たお腹

金沢(左)とセルバン先生(中央)と横山才也先生
セルバン先生(中央)と始終お世話になった横山才也先生(向かって右)

飛び出たまあるいお腹から「おへそ」がチラリ、ホラリ

それはジャン・マリー・セルバン医師による教授回診@パリ第七大学病院形成外科のシーンだ。

そのセルバン教授の訃報に接した

時は10年以上遡る。

医師になって7年程であった私はパリのサン・ルイ病院(Hôpital Saint-Louis)に2ヶ月ほど遊びに(?)来ていた。

朝早く病院へ赴き、”モーニングカンファレンス”の部屋の前の廊下に到着した。そこに小脇にジャケットを抱えた小柄な東洋人が一人立ち尽くしている…昭和大学の横山才也先生(自分より一ヶ月先にパリに到着しており、大変お世話になった)だ。彼は苛立ちを隠しているようで隠せていない😅。カンファレンスルームの扉が施錠されたままなのだ。😤

通路で待っているとパラパラとインターン(医師)が現れてようやく開錠された(カンファレンス開始予定時間をとうに過ぎている)。やれやれ。部屋の窓からは趣のある煉瓦の旧病院と、その遥か向こうにそびえたつエッフェル塔を望むことができる。古く背丈の低い建造物が軒を連ねるなか、昭和中期を思わせる幾何学的デザインで浮いた病院がここサン・ルイ病院である。

カンファレンスルーム
カンファレンスルーム
サンルイ病院
サンルイ病院

カンファも半ば、白いあごひげを蓄えた大柄のセルバン教授が到着された。フランスにおいては珍しく、海外のビジターを寛大に受け入れてくださる人物。タバコをくゆらせながら険しい表情でプレゼンを静かに聴き込む。

そして、病棟の回診である。形成外科のフロアを練り歩く。ベッドサイドでキズを見る。そこでチラリホラリと臍を否応無く見せつける。Tシャツがズボンに納まりきらないのだ。もちろん白衣も前を閉じない(閉じられない?)。患者も気になるだろう。。。。

一方、手術室では泣く子も黙る厳格さがある。このギャップ。。一緒にいるスタッフや医師たちは身構えて震えていたが、わたしは寒くて震えていた(いつもエアコン効きすぎ😭)。

セルバン先生とインターンたち
セルバン先生とインターンたち

セルバン先生は日本語も上手だった。ボランティアで定期的にアフリカを訪れ、手術をしてくる話をしてくれた。セルバン先生の遺伝子は世界中の多くの人々に継がれたようだ。

安らかにお眠りください。
セルバン先生を紹介するサイト

追伸

滞在中色々とお世話になった横山才也先生は今こちら”銀座すみれの花形成クリニック”。とても繊細な技術をもち、且つむっちゃ正義感あふれる実直な先生です。

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