こんにちは、金沢です。

わたしが10年前に2年間、形成外科医として勤務しました。金沢マラソン(平成28年10月)にエントリーした縁でふらりと立ち寄りましたここ恵寿総合病院。新病院がそびえ、以前の病院の面影はわずかに残すのみですが、周りには静かな海と優雅に漂うカモメたちが以前と変わらずに迎えてくれます。
以下のこと、今の日本の多くの病院で導入されているシステム
- クレジットカード決済
- 院内にコンビニエンスストア
- 医薬品などの物品管理システム(SPD)(バーコードをPDAで読み込んで中央で出納を管理)
実はこの病院が始まりでした。三代目神野正博院長の判断で続々と新しいことにチャレンジしていました。そんな先進的な病院だからこそ形成外科という診療科(最もマイナーな診療科)を持っていたのでしょうか。
ロータリーのある正面玄関では、患者さんの車の乗降を助けて送り迎えしていました。医療サービスの質の高さを実感したものです。
(石川県は救急車を要請してから病院に到着するまでの時間は日本一の短さ。ちなみに埼玉県はワースト5に入ります。)
今回の見学のキモは
- ユニバーサルデザインの外来診察室
- 効率的・機能的病棟デザイン
今後石川県は高齢化社会もピークを超え、人口減に拍車がかかり、医療ニーズ自体も減少することが予想されます。それに合わせて医療サービスの量や質もみるみる変化することになります。
外来ブースは平たいデスクとデスクトップ端末のみ
複数の医師(診療科すらまたいで)で外来診察室をシェア(共有)します。(専門性が高く大掛かりな器械が必要な診療科は固定。)従来は外来診察室は診療科ごとに振り分けられていました。医師すら固定されており、医師の個人所有の書籍や物品が棚に積まれていたものです。このシステムで効率的にスペースを利用できるほか、今後も変化する医療サービスにも速やかに対応できそうです。

病棟はL字型でコーナーにナースステーションと物品管理スペース
物品管理スペースはロックされており、カード認証で入れます。薬品室はガラス張りでナースステーションから丸見え。安全性が担保されます。
病室の床が色分けされています。患者さんや面会者さんが立ち入れないスタッフ専用スペースです。点滴の交換や吸引システムのメンテナンスなどスタッフが頻回に訪れますが、動線が交わらないような工夫です。素晴らしい!
その他
壁には余計な掲示物がなくてシンプル。

恵寿総合病院の歴史コーナーが興味深い。

創立は1934年に遡ります。


そして三代目は神野正博先生(現理事長)。ブログ(神野正博のよもやま話)。日本の医療のために東奔西走されてます。

ガラス張りで開放的な待合。
静かな七尾湾が眼前に広がります。安心してください、床暖房です。

渡り廊下ができて道路を渡る必要がなくなりました。
大王製紙さんの協力でコスト削減さすがです。ティッシュやオムツの広告が頭に刷り込まれます(外来や病棟に掲示物が少ない分印象的)。建物の原資も保険者のお金や税金であることを考えたらこういう知恵も大事ですね。

エスカレーターの下に可愛いスタンドが
日本の病院はちょっと飲み食いするスペースがないんですよねえ。助かります。

最後に
高齢化社会などの外的要因だけでなく、ITの利用や人工知能の利用など、医療を提供するサイドも今後どんどん変化すると思われます。
病院というハコモノ自体も、変化に柔軟に対応することが望まれる時代になりました。
謝辞
七尾ふらり旅の途中でのゲリラ訪問でした。
手配いただいた神野正博先生ありがとうございました。
案内いただいた坂下さん、河合さんお忙しい中ありがとうございました。
