自毛植毛の親和クリニック、音田(おんだ)正光先生
2000株の移植を見てきました。
脱毛治療の一つが自毛植毛です。
自毛植毛とは皮膚移植のミニバージョンです。
皮膚移植をすると毛も同時に移植されます。
そのメカニズムを利用して、脱毛しにくい後頭部の毛髪を男性型脱毛の進行した場所や、傷跡で毛が生えなくなった場所に田植えの要領で移植します。後頭部の毛髪は遺伝子的に男性型脱毛を起こしにくい性質をもち、移植された先でもその性質は変わらないため、伸び続けます。
かつては後頭部から毛髪付きの皮膚を全層で採取して、これを移植単位ごとに細かく分割して移植しました。
今のやり方はFUE(follicular unit extraction)です。後頭部から回転するパンチを用いて移植単位ごとにクルリとくり抜きます。
後頭部に縫合痕を残さないし、株分け作業(移植単位ごと切り分けること)も不要というメリットが有ります。
FUEの大変なのは採取する側のスキルと根性が必要ということ。しかし、これも技術革新が進んで大分克服されてきました。
私自身もおよそ10年前にこのFUEを手がけたことが有りましたが一度に移植するのは200から300株が目安でした。このときに一緒にお仕事していた音田正光先生は果敢に1000株とか挑んでいたのです。
そして、ついにメガセッション(1000株)を確立してくれました。
「1,2,3,4,5,6」とパンチを開けて、助手がサクッと株を引き抜きます。
テンポよく株を採取していき、短時間に2000株が採取されました。
とは言え、採取する側にスキルが要求されるので普及するには年月がかかるかもしれませんね。
一方、音田先生からこんな提案も有ります。
100から200株の少ない株数を後頭部を刈り上げずに採取します。
これは採取するときにその株だけはさみでチョキっと毛髪を切るやり方です。
これだと移植直後も目立った格好をせずに済み、社会生活を通常通り送ることができます。
ダウンタイムが極めて短期間で済むということですね。
そして1週間とか2週間とか間隔を開けて繰り返し採取と移植を行い、回数を重ねていくというものです。
なかなか魅力的ですね。
ふと思ったのは、一ヶ月とか二ヶ月おきでもいいかな?いや、年に2回、数年かけて徐々に。でもいいかも。
2015年某日 金沢雄一郎
