医師不足ナンバー1の埼玉県の医師はここにいた!埼玉県医学会総会へ参加

会場は埼玉県県民健康センターです。県庁の隣。

健康県民センターの入り口
質素な入り口の県民健康センター
ロビー
あら?ロビーは豪華ですね

浦和駅から私の脚(きゃく)で10分です。道のりには老舗がチラホラ…よそ見してしまいます。

浦和駅
浦和駅ビルはもうすぐオープン
サッカーのネオン
そうですね。浦和レッズですね。

埼玉県医学会総会の特徴

  • 埼玉県医師会主催の学術集会
  • 埼玉県内の医師が集まり、研究や症例の報告をし、議論する
  • 研修医の発表の登竜門でもある

「200を超える発表があり、増えました!」とのことです。活気が出てきたようですね。

埼玉県医学会総会抄録集
どっしりとした1センチの厚みの抄録集

参加者はM字

経験豊富そうな年齢がしっかりされている開業医と思しき人々と、発表のために駆り出された若手です。中間層の現役バリバリ勤務医は少ないですね。30代、40代は少ない…

中間層が居ないわけ

病院勤務で活躍されている医師は専門を持っています。その専門の学会で議論することになるわけですね。

多種の診療科の医師、もしくは開業して幅広く疾患を扱う医師が集まる会には専門バカはそぐわないのかもしれません。マニアックな議論はできませんものね。

それとも休日出勤して医療に従事しているか、束の間の休日を休むことに当てているかもしれません。本当に埼玉県は医師不足なんです 😥

私も発表

私も演題発表してきました。まぶたネタです。普段接することのない先生方と交わる良い機会と思い、埼玉県医学会総会に初挑戦したのでした。

タイトル:「まぶたのふちのアートメークとwaterlineの見え方について」(5分)
要約:眼瞼下垂の手術をするとまつ毛が少し上むきになる。アイラインのアートメークがあるとまつ毛の内側の結膜がピンク色の線で目立ってくることがあるので注意が必要。

まぶた手術をする一人の先生とのみお話ができました… 😳 マニアック過ぎた〜〜反省・・・・お集まりいただいた聴衆の皆さん。貴重なお時間を申し訳ございませんでした。

左上まぶたwaterlineshow
waterlineってこれね。左上まぶたのまつげの下のピンク色の結膜がライン状に見える

テーマ:スポーツ医学とリハビリ

ランニングで故障が気になっている私。スポーツ医学やリハビリも興味があります。いくつかご紹介。

ノルディックポールウォーキング

両手にノルディックポールを持って歩く練習です。4本脚になるのです。左右のバランスが整い、体幹も鍛えられるとのこと。合理的ですね。歩行障害の患者さんに試してもらい、良い結果が得られているとのことでした。楽しそうだし。(飯能靖和病院の発表)

ハムストリングの坐骨近くでの筋断裂症例

野球で一塁手がボールをキャッチするときに開脚しますね。そのときに太ももの裏でブチっと。痛そう!!!手術をしたそうです。年齢は50代だったかな?無理はできませんね。(藤間病院整形外科の発表)

テニス肘に体外衝撃波治療(ESWT)

尿管結石の治療で医師を割るために使われる器械。カンカン!と音がなります。スポーツ業界では足裏の慢性の痛み(足底筋膜炎)に用いられます。「テニス肘にも使用しました。結果いいかもしれない」とのこと。メカニズムは発痛物質の発生を抑えるとのこと。慢性の痛みに悩んでいる人には希望の光が差し込みます。(埼玉医大整形外科の発表)

マラソンでのドクターランナー活動

ハーフマラソン(21.0975km)。ドクターランナー平均9人で活動。AED(除細動器:いわゆる電気ショック)は13台準備しています。AEDで心肺停止のランナーを救ったとのこと。全国の集計でも全国マラソン大会(2011〜2017)で45人の心肺停止ランナーのうち43人を救命しているそうです。早い対応がいかに重要かよく分かりました。(戸田駅前クリニック)

記念講演:多様性研究から学び地域で伸ばす生活習慣病の健康寿命

自治医科大学附属さいたま医療センター内分泌代謝科教授の原一雄先生。

  • 高血圧や糖尿、高脂血症など、遺伝的にかかりやすさに個人差がある。
  • その多様性をあらかじめ遺伝子解析で調べることができるようになってきた。
  • 今までは効果の期待できない人にも治療を強いてきた(平均値治療だっため)が、今後はオーダーメードで個々の患者に最適化した治療ができるようになる。

という、夢のようなお話でした。すでに日本人の遺伝子が解析済みであり、200人分が公開されるとか。さらなる調査が期待されます。
私見ですが、形成外科は「個人に最適化した治療」をする診療科なんですね。平均値で治療を判断できないのです。負担(精神的、身体的、経済的、時間的、社会的)と治療によって得られる利益を天秤にかけ、さらに患者さんの身体的適性や担当医師の技量を考慮して、判断するんですね。だからデータ至上主義の人と議論が噛み合わないことがあるんです ;-)論文にもしにくいのですね。

これからは形成外科にかかわらず、「個人に最適化した治療」がこれからのテーマになると思います 🙂

最後に

人口対医師数で全国最下位をひた走る埼玉県。県民一人ひとりの健康意識が欠かせませんね。頑張りましょう!そして医療サイドも逆境の中、効率性をブラッシュアップさせる工夫を生み出していきたいですね。

追伸

設楽悠太さんが日本記録を更新されましたね。お昼休憩の時に知りました。埼玉県出身のホープでした。とても感激です。

ロビー
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