藤田嗣治が描く鼻は”人中”がセットになっている|東京都美術館

藤田嗣治展のパンフレット
藤田嗣治展のパンフレット
「乳白色の下地」を開発した藤田嗣治。「自分独自のコンセプトを開発したい。色は捨てよう。モノクロがいい。いや、白い色を用いる画家はいないぞ。これだ」
色彩豊かに表現するヨーロッパの画家たちに囲まれ、差別化をはかるべく「乳白色」を手に入れたFoujita。

藤田嗣治展

「乳白色の裸婦」

  • 乳白色のグッタリした柔肌
  • コントラストの弱いカラダの陰影
  • アンバランスなカラダのライン
  • どことなく生気の抜けた表情

カラダの陰影さえも「白」で表現する。コントラストが低すぎるあまり、絵画を見ると一瞬人物像が白く抜けて見えてしまう。
乳白色の下地に「か細い黒い線」が墨で書き込まれている。

人中(にんちゅう):philtrum

鼻の輪郭は「うっすらか細い黒い線」で描かれる。さらにそれに続いて「人中」も必ずついてくる。「人中」とは鼻下から上くちびるに伸びる立体的な「溝(みぞ)構造」である。じんちゅうと呼ぶ人もいる。wiki「人中」

「2人の少女と人形」より
「2人の少女と人形」より

出典:『藤田嗣治渡仏100周年記念 レオナール・フジタとパリ』

人中をひどく強調するのだ。冷徹な表情、人形のような表情の中に「人中」が浮かび上がり、妙に生々しく感じてしまう。
猫が好きな藤田。鼻下にちょび髭を蓄える藤田。なにか「人中」にこだわりを持っていたのだろうか🤔
あ、違うか!猫が好きで女性の顔に「ネコ」を被せていたのかなあ??あなたはどう思う?

「没後50年 藤田嗣治展」

  • 2018.7.31~10.8
  • 東京都美術館
  • 開館時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)金曜日は20時まで
  • 当日券 一般1600円
  • 音声ガイド:津田健次郎:520円

ウェブサイト

あとがき

「つぐはる」と思うでしょ?でも「つぐじ」と呼ぶ人もいるんです。どちらなのでしょう?
藤田が監督した映画『現代日本子供篇』が放映されていました。なんとその中で記されていたのは「監督:ツグジフジタ」でした。
 
 
 

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